小説なんて。

言ったことを激しく後悔しています。

第1話【A太 何も喋らず、息もせず‥‥‥】

この物語は、とあるいじめを受け続けている少年の物語。
主人公視点になる予定はありませんのであしからず。
とあるところに、A太という名を持つ少年がいました。
彼は中背中肉で、特に特徴のないことが特徴な普通の高校生でした。
しかし、彼のその名前、「A太」という名前のせいで、当然の如くいじめられていました。
小学校のときから今も続いているのです。

中学になり、彼はショックを受けました。
そう、英語の授業です。
自己紹介するときの文にその事実は隠されていました。
My name is Ata.
名前が「A太」から「あた」になってしまうのです。
そんなこんなで現在に至るのです。

というわけで彼は現在、あまり使われない教室の掃除用具入れの中に隠れています。
トイレ以上に安心できる場所なためです。
一時期トイレで休息をとっていたこともあったのですが、何度も上から水をかけられてしまい、それ以来掃除用具入れにこもって休み時間をすごすようになったのです。
しかし彼はそこで何をするわけでもなく、ただ心を無にし続けているのです。

が、そのとき大変なことが起こりました。
なんと掃除用具入れに入っていることがばれてしまったのです。
出て来い、出て来い、と掃除用具入れが蹴られ、無の境地から覚めたA太。
そして倒れる掃除用具入れ、更に建て付けが悪く開かない掃除用具入れのドア。
その後、いじめっ子と野次馬たちは開かないドアに怒りを覚えつつも個々のクラスへとかえってしまいました。

A太が完全に目が覚めたとき、怒りが爆発し掃除用具入れのドアに思いっきり蹴りを入れました。
しかしそこは立て付けの悪いドア、衝撃を吸収し、A太の足へとその衝撃を跳ね返しました。
足に強烈な衝撃がほとばしるA太。
それでも、その衝撃を小指に蓄え吸収して持ちこたえる。
仕方なくもう一発けりを入れてドアを蹴破りました。
そして倒れた掃除用具入れから多少ほうきやモップでもがきつつも出てくるとそこには見たことのない光景が広がっていたのです。

−第2話【B吉 魑魅魍魎、疑心暗鬼を生ず】に続く