夏だー

午後7時に外を見たらまだ明るかった。
30分後にはばっちり暗くなって街灯が機能してた。
朝方と夕方の明るいとも暗いともいえないどっちつかずな明るさが好き。


帰りのバスの中。
座れないほどじゃないけれど普段より人が多かった。
いつも私が座っているところに人がすでに座っていた。
別にこだわっているわけじゃないので、一番後ろの空いているところに座る。
すぐ左の窓側にいるおばさんはうつらうつらとして、反対の窓側にいる人もあまり若くはなかった。
そして隣には小さい子とその母親が座っていた。
小さい子の声とか、そういうワーワー言う騒音には慣れているので、気にせず本を読み始めた。
宮部みゆきの「模倣犯」を。
バスは出発までまだ時間があった。
隣の母親も、本を読んでいた。
ただ、私の場合の「読んでいた」とは決定的に違うことがあった。
彼女は、それを声に出していた。
どうやら小さい子に読み聞かせているらしい。
しまじろうとかトロルとかヤギさんとか言ってた。
子どもがワーワー言う分には気にならないのに、隣の母親が本を、それもキャラごとに声色を変え、抑揚までつけて読まれては集中できない。
殺人事件としまじろうのギャップにふきだしそうになった。



その親子は、バスが出発してから数分で目的地についたらしく降りた。
私はまた「模倣犯」を読み始めた。
そして自分の目的のバス停の一つ前で、読むのを中断する。
走り出したバスが2つのバス停の間にある信号で停止している間にバスカードを取り出す。
赤信号で停止しているものの、バスの料金表示の上の、行き先を案内する電光掲示板には「ありがとうございました」の文字が残り続けている。
やはり、ちゃんとアナウンスがあり、表示が変わった後にボタンは押したい。
アナウンスが起こる少し前、停車中に隣で眠っていたおばさんが突然目を覚ました。
目を覚ましてバスカードを取り出したとき、アナウンスが流れた。
私がそのとき座っていたのは、6人がけの席の真ん中よりの左側。
どちらに転ぼうと窓の近くにあるボタンとの間に人がいる。
ちょっと失礼だと考えながらボタンを押そうと体を左にわずかに向けた瞬間、窓際のおばさんが押してしまった。
わずかに体を傾けただけとはいえ、なんだか恥ずかしくなったので、反動で右側を向いた。
右側の人も今まさにボタンを押そうかと言う状態だった。
だが、すでに左隣のおばさんが押したあと。
右側の人となにかがシンクロしたみたいで嬉しかった。


眠くてもう今日は書けない。
3限目からおかしかった。
そして今も睡魔継続中。
ふと目を瞑ると、開いたときには30秒後の世界が映る。
空白の時間を作りまくってしまいそうなので寝ます。


おやすみなさい。