凍った豆腐に頭の角を打つ

頭の角って、どこですか。
ツノ、か。


変なのがふつふつわいてきた。
夏です。



豆腐「これから、バナナさんとともに活動することになりました、豆腐です!よろしくお願いします!」


バナナ「……気にくわねえ」


豆腐「はい?」


バナナ「お前と組むってのが気にくわねえ」


豆腐「何言ってるんですか。すぐにエネルギーになって、その上疲労回復までできちゃうあなたとヘルシーな私が組めば、運動する人たちから健康に気を使う老人、ダイエットしたがる女性、とあらゆる人たちをカバーできて、世界中のニンゲンをトリコにできます!」


バナナ「お前、水分90%の分際で何言ってんだよ。凍ったら豆腐って言うよりもはや氷じゃねえか。オレは凍ったら釘が打てる。異国の寒い地に訪れたニンゲンの9割が、オレの名を呼ぶ。だからお前みたいヌルいとこでしかやっていけねぇような奴とは組まない」


豆腐「だから、私とあなたで合わせて広くカバーしよう、って言ってるんです。私と組めば鬼に金棒ですよ」


バナナ「お前が色白できれいで、それを鼻にかけたくなる気持ちも分からないでもねえけど、オレだって一皮むければ白いんだ。並んだときの色が被るってのはマズイ。もし争うことになったら最初から白でやってきてるお前に分があるのは明白。オレの仕事を奪ってくかもしれない。だったらずっと別々の道を歩き続けるべきだ」


豆腐「……何よ、偉そうにして」


バナナ「なんだと?」


豆腐「低学歴がエリートに向かって何を偉そうにしてるんだ、って言ってるのよ。やっぱり、低俗な人たちが転ぶときに使われるあなたなんかと、和食に欠かせない、美しいぐらいに白くみずみずしい私じゃ、つりあわないのね」


バナナ「娯楽をバカにするな。ニンゲンは笑うと長生きするんだ。つまりオレは健康にも一役買っていることになる。しかも身を張って、だ。身を張ろうとしたらグチャグチャになるお前と比べたら、人に面白いように投げて弄ばれてるパイのほうが格上だよ、エリートさん」


豆腐「くっ……もういいわ、美味しい話だと思ったのに、捨てるなんてバカなことをするわね。あなたが一緒になりたいっていつか言ったとしても、そのときは絶対に組んであげないんだから。捨てられたものは落ちてすぐ拾わなきゃ駄目、それが3秒ルールというものよ」




誰かに届けこのメッセージ。
バナナはともかく、豆腐のほうは性格が変になった。
でも脳内でバナナと豆腐が喧嘩しだしたんだからしょうがない。


おやすみなさい。