読書の秋

数ヶ月前にはまだ日が出ていたような時間でも、もうすっかり暗くなってしまった。
秋の夜は長い。


夕方がまだ明るかった、夏休み前ぐらいに本を読み始めた。
通学中、バスや電車の中が暇で仕方がなかったからだ。
毎週学校へ行くのだから、当然読書も習慣化されるだろうと思っていた。
しかし夏休みに入った途端、再び本を読まなくなってしまった。
学校に行く必要はなく、家から出ることもない。
新しい本を図書館へ借りに行くことさえ億劫だった。
読書の習慣は私の身体に染み込まぬうちに離れてしまっていた。
そのままダラダラと夏休みを過ごして、夏休みが明けてからしばらくは、通学中に本を読むということはしなかった。
登下校のどちらのときもバス・電車の中で眠ることを選んだからだ。
そして生活リズムが夏休みよりは改善されつつある今、また読書を再開することに決めた。


夏休み前には宮部みゆきの作品ばかり読んでいた。
今は東野圭吾の作品を読んでいる。
1冊目は『放課後』だった。
そして2冊目が『怪笑小説』。
『放課後』は女子校の教師が主人公の学園モノの推理小説
『怪笑小説』はユーモアのある短編小説集。
そのうちの『超たぬき理論』が面白かった。
無人大相撲中継』は、最後の文を読んでその光景を想像してしまって気分が悪くなった。
ブラックユーモアは他にもいくつかあったけれど、あまり自分はそういうのは好みじゃないようだ。
『超たぬき理論』のように突き抜けてバカな作品が好き。


読書をするために昼寝の時間を削って、結局バスの中では眠っている。
本末転倒だ。


おやすみなさい。