サイレントナイト

朝学校に行く途中、ホールの近くに列を成して、道の脇に座り込んでいる人たちがいた。
誰か人気者のコンサートか何かがあるのだろう、そう思った。
チラリと待っている人のほうに目をやると、その人のカバンが目に飛び込んできた。
いや、カバンにプリントされているものと言ったほうが正しいかもしれない。
そこには満面の笑みを浮かべた氷川きよしが大きくプリントされていた。
笑顔の氷川きよしを見て、私もつられて笑ってしまった。
もしかしたら呆れて笑ってしまったのかもしれなかったので、さすがに相手のほうをジロジロ見ながらというわけにはいかなかったが。


帰り、ホールの近くを通ると、まだ列を成していた。
てっきり午前中に終わったものと思っていたから驚いた。
でも別の人たちなのかも、と考えたけれど、満面の笑みの氷川きよしはまだそこにいた。
年をとっても情熱というものはそう簡単に揺るぐことはないようだ。


商品を売ろうと、元気に「ジングルベル」の替え歌で商品の宣伝をしていたお店があった。
2人の女性が周りの空気おかまいなしに歌っているのを聞いて、気温とは関係のない寒さに襲われて鳥肌が立った。
一足早いクリスマス、って早すぎる気がする。
ばっちりサンタ帽を被っていたが、明らかに浮いていた。
この調子だと、十数年後には1月にクリスマスセールとかをやりだすかもしれない。
なんでもありだ。


学校でバドミントンをやった。
相手は、こちらが打ったシャトルを追うこともなく、点をどんどんと入れられていた。
やる気ないのかな、と思ったつかの間、突然スマッシュを打ってきた。
あまりの変化に少々唖然としてしまった。
試合中に内に秘められし力が解放されたとか、そういう設定を考えてしまい、試合に集中できなかった。



おやすみなさい。