冬だけど、一日千秋

学校の帰り道に通る公園で、幼稚園児と思しき少年2人がボール遊びをしていた。
サッカーボールを使っていたのだけれど、やっていたのはただのサッカーの真似事ではなかった。
なぜか「サッカーボールを蹴ろうとして転ぶ人」とか「ヘディングしようとして顔を痛める人」とかの真似をしていた。
2人の間は結構離れていて、なかなか度胸を感じた。
ボールを扱うことを失敗する人を演じているせいか、もう一方の観察者側にはなかなかボールが来ないようだった。
蹴りあわないなら、もっと近づいてやったほうがネタの披露が円滑に進むのに。
いちいち片方のネタが終わるのを待ってから自分のネタを披露すると、おそらく発想と実行に時間差が大きく生まれてしまう。
バカみたいなこと、ってのは勢いが大切なのに、その勢いを抑えこめられてしまうと実際にやる頃には「なんでオレこんなことしてるんだろう」という気持ちになってしまう。
相手からの反応が薄ければなおさらだ。
やはり、思いついたら即実行、相手からボールを奪ってでもやりに行くべきだと思う。
身体を張って芸を披露していた彼らはきっと、いいリアクション芸人になるだろう。



とても久しぶりに学校へ行ったような気がした。
一日千秋って言葉ほど大げさではないが、それに近いものはある。
3日前に終わった試験が、何週間も前のことのように感じられる。
その、随分と前にやったような気がする試験の結果が一つだけ返ってきた。
英語の試験だ。
特に「○○点ぐらいは取りたい」とか「△問ぐらい間違えてそうだ」とかの期待や不安は持っていなかった。
だから、点数を見ても特に感慨のようなものはなかった。
それでも、文法を知ってれば答えられる問題を丸々落としてしまったのは悔しい。
チラリとプリントを見ておけば12点が加算されたのに、ノートにまとめた熟語ばかりを覚えていた。
これで熟語のほうもダメだったら解答用紙を破るところだが、満ち溢れる自信どおりに、とくに間違えたところはなかった。
そもそも記号選択問題になっていたから、ぬるすぎた。
穴埋めする英文がプリントのまんまなので、意味が分からなくてもとりあえずプリントで見たものを思い出して書き写せばいいという状態。
で、それをやったら見事に文法は沈没したので、やっぱり復習って大事だなと実感した。
あと、記号選択ばかりだったから前回より遥かに簡単になっていた気がするのに、平均点が下がっていたことに驚いた。
単語集をちゃんとやっているかどうかで差がついてしまったのかもしれない。


プリントとか単語集とか、書いてある内容が全然覚えられないよ!って人は、とりあえず目にスキャナーを導入することから始めればいいと思う。
書かれてる内容を文字で捉えるんじゃなくて、「print1.jpg」みたいにして、全体の雰囲気を覚えてたほうが、1個思い出しさえすれば残りもポンポン思い出せて便利。
プリント読んでも全然覚えられないってのは、そこに書かれてるのが字だと思ってしまうから。
小説はダメだけどマンガなら読めるよ、っていうのは字じゃなくて絵のほうが読みやすい、ってことだろうから、字が書いてあるんじゃなくて絵が描いてあると思えば結構覚えられると思う。
目にスキャナーを与えよう。


先生の喋り方や、友達の放った一言など、なんでも良いから印象付けさえすれば大抵のものは覚えられる。
印象に残りさえすれば、数年前の授業の内容だって思い出せる。
たとえば、中学校の頃に歴史の授業で大塩平八郎が教科書に出てきたとき、その部分を読まされた生徒が誰だったか、ということを私は覚えている。
ちなみに、その生徒が印象的だったからではなく、大塩平八郎が印象的だったから覚えている。


おやすみなさい。