私が読みやすい作品、それがライトノベルです

予期せぬ祝日を前にして、手元にある本を読み終えてしまいました。
明日はきっとゲームの日。


読んだのはこの3冊。
陽気なギャングが地球を回す伊坂幸太郎・著
『陽気なギャングの日常と襲撃』伊坂幸太郎・著
『AURA 〜魔竜院光牙最後の闘い〜』田中ロミオ・著


上2冊は学校の図書室から、下1冊は金曜日に友人が突然貸してくれました。
田中ロミオの『人類は衰退しました』を先輩にオススメされた、ということを前に話していたからかもしれません。



『AURA 〜魔竜院光牙最後の闘い〜』田中ロミオ・著
AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~ (ガガガ文庫)
人から借りている本ということで、学校のものより先に読むことにした。
その結果、これが今年初めて読んだ本になりました。


本を渡されたとき、タイトルからしていかにもバトルファンジーな感じがしたので「これって戦闘物?」と聞くと「違うよ」と言われました。
なのに本を開いてすぐ出てきたのは、屋上に2人の男が対峙していて、いかにもな技を繰り出しているシーンです。
「冒頭はふざけてるから気にしなくていい」と言われたのでさらっと流しながら読みました。
数ページでシーンは変わり、先ほどの話は伝承から抜粋したものだったようで、ここから主人公、佐藤一郎の目線で物語が始まることになります。
直前に「聖竜神アスタロイ」だとか、「聖騎士バルザック」だなんて名前を見たものだから、あまりにも普通な名前である佐藤一郎を見て、なんだかホッとしたような気持ちになりました。
タイトルに「魔竜院光牙」という源氏名でもお断りな名前が入っていますから、きっとそういうギャップを狙っているのでしょう。
実際の内容は、人と接することが苦手な不器用な女の子(後にクラスメイトと判明)と佐藤一郎が夜の学校で運命的な出会いを果たし、2人で幾多の困難が待ち受ける高校生活を乗り越えていく、そんな学園ラブコメ
少なくとも表紙に「田中ロミオ、学園ラブコメに挑む――!?」と書いてあるから、多分学園ラブコメ


主人公の周りにいる人間も、特徴的で愉快な面々で、面白かった。
ただ一つ不満をいうとしたら、天然キャラである子鳩のイラストが私には合いませんでした。
私の中ではおっとりとしたイメージがあるから、サバサバした外見だと、挿絵にたまに出てきたときに誰だか分からなくなる。


ニコニコ動画に、この作品の挿絵を用いた動画がありました。
D
絵の雰囲気を掴むのにいいかもしれません。
物語は、全体的ににぎやかですが、ちょっと暗いところもあります。
でも、問題を乗り越えていくのは気持ちよく、読み終えた後はスッキリした気分になると思います。



陽気なギャングが地球を回す伊坂幸太郎・著
陽気なギャングが地球を回す (ノン・ノベル)
『陽気なギャングの日常と襲撃』伊坂幸太郎・著
陽気なギャングの日常と襲撃 (ノン・ノベル)


ライトノベルと肩を並べていても、それほど違和感がない。
むしろ、一般小説と一緒に置いてあるとそちらに違和感を覚えてしまいそうです。
覆面をした男が表紙の小説が、真面目なわけがない。


シリアスな作品じゃないと踏んで、読みました。
案の定、笑いに傾いた内容でした。
ラッシュライフ』や『ゴールデンスランバー』と違って、「あれは伏線だったのか!」みたいな驚きが少なく、そういう点では、安心して読める作品でした。
頭の中を空にして、軽い気持ちで読める。
まさにライトなノベル、ライトノベルじゃないでしょうか。
主役である4人組の銀行強盗にそれぞれ長所というか、特徴がついているのも分かりやすくていい。
秀でた能力を持っている人が集まっている、そんなところもライトノベル
4人組の中では、とくに響野さんが愛すべき存在になっています。
他3人が「天才的なスリ師」「人間嘘発見器」「正確に時間を測り続ける体内時計を持つ女」なのに対して、響野さんは「演説の達人」。
色々なことを話したがるからそう呼ばれているようで、もしかしたらひきつける力を持っているのかもしれませんが、大抵他3人の誰かにいじられています。
いじられ役になってるのですから、きっと彼はいい人なのでしょう。



『陽気なギャングは地球を回す』は中高生にオススメの本だと思います。
中高生の高に当たる私が言っているのですから、間違いありません。
『陽気なギャングの日常と襲撃』は続編です。
『〜地球を回す』のほうを読んだら是非続けて読んでみてください。
『〜日常と襲撃』は、『〜地球を回す』に比べると悪役も憎めない感じになっています。
でも、どっちが正義でどっちが悪か、なんてことを深く考えないでいいです。
なにせ、主役が銀行強盗なのですから、そんなことを考え出したら主役に肩入れして読めませんからね。


おやすみなさい。