死神の精度

『死神の精度』伊坂幸太郎・著
死神の精度


『死神の精度』を読みました。
死神の視点で進められる短編集。
死神だからといって、ただ人を殺すわけじゃない。
人の姿で、候補に選ばれた人に接触し、最大で一週間の調査を行い、死なせて問題ないと思ったら「可」、そうでなければ「見送り」と、担当の部署に報告をする。
それが主人公である死神・千葉の仕事。


人間らしい曖昧な表現や、慣用句にとまどったりするため、人間との会話はどこかずれたものになってしまっている。
どこか人間をバカにしたような、上からの目線が目立ち、一緒にいるとイライラさせられそうです。
でも、それでイライラしたとしても、一週間後には「可」の報告がなされて8日目に死にます。
逆に死神が調査している間は、調査対象の人間は自殺や病気といった管轄外の死に方でない限り死にません。


死神・千葉が、常に冷めて物を見ているせいか、読んでてあまり楽しくならなかった。
感情の起伏が薄く、周りで誰かがピンチに陥っていても千葉だけは平然としてそうで、感情移入はまったくできません。
これを読む前に読んでいたのが『陽気なギャングが地球を回す』をだったせいか、かなり暗い作品に感じられました。


おやすみなさい。