太陽の坐る場所

『太陽の坐る場所』辻村深月・著
太陽の坐る場所


学校の図書室に新刊図書として置いてあって、表紙を見たら恩田陸の『六番目の小夜子』を思い出したので、読むことにしました。
六番目の小夜子 (新潮文庫)
改めて見ると、別に表紙は似てないですね。


物語は、表紙を見れば分かりますが、女性が中心で、5人の視点で物語が進んでいく中で、そのうち4人が女性。
残る一人の男・島津からは、温水洋一をイメージしました。


登場人物のほとんどが「実は私はこんなに凄い」みたいな考えを持ってて、あまり読んでて楽しくなかった。
実はこうなんだ、と相手に知らせたら驚くだろうな、とかいう考え方は、自分にもあるような気がして共感できたけれど、自分をよくするために小さな嘘を積み重ねていくのはあまり好きになれません。


女性視点が多いから、この話は女性が読めば面白いのかもしれない。
学校・クラスでの女子のグループの作られ方、みたいなのは男が読んでもイマイチピンときませんでした。


男性にしろ女性にしろ、読んでスカッとするようなお話ではないと思います。
本の帯に『よみがえる「教室の悪意」』とか『高校時代の「幼く、罪深かった」出来事』と書いてある時点で明るい話じゃないのは察しろというものですが。


あと、出席番号一ケタにサ行の人がいる、ということがなんだか気にいりませんでした。


おやすみなさい。